映画「悪人」

名作。傑作。最高。

僕が劇場で観たのはおよそ10年前。小説を先に読んでいて、それが偶然にも映画化されるっていうから、観に行ったんだよね。おそらく当時付き合っていた彼女と。それもあいまって、劇場で号泣。エモすぎて、号泣。ほんとうにやばかった。今回はずっと移動中にiPhoneの画面で観ていた。画面サイズはもうびっくりするくらい小さくなっているのに、感動の大きさは全く変わらなかった。

もうね、この作品に関しては言いたいことたくさんあるんだけど、そんなこと書いてたらライブ一本飛ばさなきゃいけなくなってくるから、我慢するね。※この文章も大急ぎで福岡への移動中の新幹線にて。

まず、セリフがものすごいい。これはおそらく小説のセリフをそのまま使っているところも多いと思う。吉田修一さんはセリフがものすごいいのよ。クライマックスら辺に出てくる「大切な人はいるか?その人の喜ぶ顔を想像しただけで、胸がほっこり温かくなるような・・・」で始まる一連のセリフ。確か小説にもあったはず。10年前に読んだけど覚えてるもんね。iPhoneにメモったの覚えている。メモ帳に。なぜか忘れたくなくて。

そうゆう作者の哲学が登場人物のセリフによってにじみ出てくる作品が僕は大好きだ。

映画に関しては、とにかく演技がいい。俳優がいい。主要な部分の俳優はすごいよかった。物語のほとんどはその人らで進行していくから、以外に登場人物は少ない印象。その中でも特にグッとくるのは、樹木希林と深津絵里。

樹木希林から。やっぱりなんなんでしょう。僕の好きなタイプの俳優なんだと思う。もうそこにいるんだよね。樹木希林じゃなくて、そのばあさんがそこにいるの。僕の好きな俳優は一見するとダサい。でも、人の感情をあんなに上手に体現してるからこそ青臭くてちゃんとダサい。そのダサさを出せるのってなかなかできないと思うの。人ってどこかちょっとよく観られたいとか、かっこよく観られたいみたいなところあるでしょ?でも、その恥じらいや変なこだわりを捨てた先にものすごい生身の人間が現れてくるんだよね。前回観た時との印象の違いは樹木希林のすごさに目がいってなかったんだと思う。

次、深津絵里。深津絵里ってみんな知ってる?最近あんまり出てないのかな?わかんないけど、ものすごいよ。役者するために生まれてきた人なんだろうなって本当に思う。一見めっちゃまとも。普通の人っぽい感じ。スキャンダルとか全くなさそうだもん。昔のベッキーからもっと洗練させて、打算的な部分を取り除いた感じ。全く裏が見えない。でも、ずっと演技見てるとほんとうに努力したんだろうなって気持ちになる。深津絵里の何も知らないけど。偉そうに言ってるけどね。

ストーリーは当時流行っていた出会い系サイトでメールで出会うって流れ。お互いのどうしようもない永遠に続きそうなくらい吐き気がする毎日。代わり映えのしない毎日。何かが不満ってわけじゃないけど、退屈な毎日。どうにかして壊したい、でも壊す勇気も手段もない。そんな生きるのが下手くそな人々の映画。そこで、ほんとうに大切なのは何か。人を愛するってなんだ。本当の悪とはどっちだ。みたいな非常に深い映画です。もう泣ける。多分10年前に観て泣いたところと同じところで泣いた。深津絵里で号泣。iPhoneで号泣。

僕もあんな灯台に引きこもりたいな。。。

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